教育方針と主要施策
平成24年度 教育方針と主要施策
本日、定例市議会において、平成24年度の「施政および予算編成方針」が、市長から発表されたことに伴い、池田市教育委員会として、平成24年度教育方針と主要施策を申し上げます。
近年、少子高齢化、高度情報化、国際化などの急速な社会変化の中で、池田市における教育を巡る環境もその影響を受け、自立心の低下、生活習慣の乱れ、学ぶ意欲や体力の低下、市民ニーズの多様化、安全・安心な生活への不安などの課題が生じております。
また、少子化、核家族化が進み、人間関係が希薄化する中で、家庭や地域の教育力の向上など、社会全体で教育に取り組む必要性が高まっております。
このように先行き不透明な時代にあって、将来に展望を見出す教育の振興を図っていくために、どのような教育施策を、どのように進めていくかを明らかにする必要があります。
教育基本法が改正され、新しい時代の教育基本理念が示され、その具現化に向け、国においては、「教育振興基本計画」が策定されました。
池田市教育委員会といたしましても、地方教育の主体的な担い手として、情勢にあった教育施策を効果的に実施していくために、これまでの教育成果を踏まえ、学校教育、社会教育など、さまざまな観点から、本市の教育の今後の方向性を示すものとして、「池田市教育ビジョン」を策定し、今後、本ビジョンにもとづき「第6次池田市総合計画」の教育部門の具現化を図ってまいります。
さて、本年4月からは、中学校においても新学習指導要領にもとづいた教育課程が全面実施されます。
私たちは、この新学習指導要領を踏まえ、池田に育つすべての子どもたちに、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」をバランスよく育てることを大切にしてまいります。
子どもたちの健やかな成長を図るためには、地域の教育力を生かした、学校・家庭・地域が協働した教育コミュニティづくりを大切にし、幼児期から義務教育9年間を見据えた学習内容や指導方法のあり方を見直した一貫した教育の構築を進める必要があります。
小中一貫教育という新たな教育システムの構築を進めてまいりますとともに、新しい時代にふさわしい安全・安心な教育環境の整備に努めてまいります。
さらに、教職員の人事権が、本年4月より府から権限移譲されます。豊能地区3市2町が一体となって、各自治体の特徴を生かした取り組みが展開できるよう努めてまいりますとともに、本市が進めようとする教育に沿った教職員の配置・教職員研修ができるよう取り組んでまいります。今後、教育の地方分権がさらに進んでいくものと考えております。
本年度、新たに開設する教育センターを教職員研修の拠点とし、教職員のさらなる資質向上をめざしてまいります。
この新しい教育センターでは、これまでの教育研究所と青少年センターの機能を融合させ、発達の課題・いじめ・不登校・虐待・問題行動など、多岐にわたる教育相談を包括し、課題を抱える子どもや保護者支援の拠点といたします。
加えて、学校・家庭・地域が力を合わせて子どもを育てるため、中学校区単位で進められている教育コミュニティづくりを活性化させ、引き続き学校支援や地域の教育力の向上を図ってまいります。併せて、保育所・幼稚園・小中学校の連携強化を図り、子育てや教育にかかわる行事などを支援し、地域のネットワークを育む施策を推進してまいります。
さらに、家庭教育および地域教育の向上・充実を図るため、PTA活動や社会教育関係団体などの支援にも努めてまいります。
また、市民の皆様に教育委員会の事業を十分に理解していただけるよう、広報誌やホームページなど、さまざまな方法で、より身近な教育委員会をめざしてまいります。
学校教育につきましては、昨年度の小学校に引き続き、本年度から中学校において新学習指導要領が全面実施されます。「教育のまち池田」として、英語教育や科学・情報の時間など、特色ある教育内容のさらなる充実をめざすとともに、子どもたちが確かな学力を身につけていけるよう、新しい教育課程の中で9年間の学びを見据えた教育を進めてまいります。池田で学ぶすべての子どもたちに、未来を切り拓く力や国際社会の一員として十分に意思疎通ができる能力、豊かな創造力と生涯にわたり学び続ける意欲を培ってまいります。
また、平成16年度より本市が先進的に取り組みました小学校低学年における35人学級編制は、平成18年度から3年生へと拡大いたしました。昨年4月の「義務標準法」の改正を受け、本年度も、1年生は国基準で、2年生は引き続き大阪府の施策として35人学級編制が実施されます。本市では小学校1年生から3年生までの35人学級編制を継続し、学び方の基本を確実に身に付けるとともに、社会性や自主性の基礎固めができるようきめ細かな指導を進めてまいります。
つぎに、各学校園では、子どもたちや地域の実態を踏まえながら、校園長のリーダーシップのもとに今日的教育課題についての実践的研究を推進してまいりました。
昨年度より「『教育のまち池田』学びと共生研究推進委託事業」として、すべての中学校区において、就学前から義務教育9年間を見据えた小中一貫教育の実施に向けて研究を推進しております。本年度は、中学校区で各学校園間の連携をさらに深め、研究を推進してまいります。
また、これまで実施してまいりました自然体験学習は、心身ともに健康な子どもたちを育てることを目標に、本年度も十分な安全対策のもと、実施してまいります。
生命・人権を尊重する教育は、すべての教育活動の基盤となるものであり、学校園における子どもたちの対等で豊かな関係づくりをめざし、基本的人権を尊重する心豊かな人間の育成に一層努めてまいります。生命・人権尊重の重要性を教育から発信し、保護者・地域などへの啓発を進めてまいります。
一方、幼児・児童・生徒の安全・安心の確保につきましては、「地域安全マップづくり」への支援をおこなうとともに、小学校の校門オートロック化、幼稚園の緊急通報システムの設置により、学校園の安全体制の構築を図ってまいりました。今後は、小学校における情報機器の活用の検討や、スクールガードリーダーを中心に、保護者はもとより地域住民の協力を得て、校区内の見守りや安全監視に力を入れてまいります。加えて、小学校に設置した地域の安全見守り拠点である安全ステーションを中心に、警察や関係機関との連携強化のもと、安全体制の拡充を図ってまいります。
昨年も、大阪府安心こども基金特別対策事業補助金を受け、幼稚園にもAEDを設置いたしました。また、1月中旬より、季節性インフルエンザの流行に伴い学級閉鎖が相次ぎましたが加湿機能付空気清浄機などを活用し、インフルエンザなど感染拡大防止に努めてまいりました。
今後とも、引き続き子どもたちの安全・安心のため、国および府などの情報にもとづき適切な判断・行動ができるよう医療機関や保健所など関係機関と連携を図りながら、万全を期してまいります。
つぎに、子どもの課題支援についてであります。昨年度までは、特別支援教育、発達障がい、不登校などは教育研究所で、いじめ・虐待・問題行動などは、青少年センターで対応してまいりました。本年度からは、これらを統合し、新たに教育センターで対応してまいります。
特別支援教育につきましては、「ともに学び、ともに育つ」の理念に立脚し、特別支援教育を学校全体の取り組みとして校内体制を充実させるとともに、乳幼児期から学校卒業までの一貫した教育支援計画の作成のため、関係機関との連携に努めてまいります。
不登校問題につきましては、きめ細かく一人ひとりを見守りながら未然防止、早期発見・早期対応ができるよう、学校での相談体制づくりを推進してまいりました。今後も中学校へのスクールカウンセラーの派遣、小学校への専門相談員の派遣、適応指導教室の設置などの支援を継続し、不登校児童・生徒の減少に取り組んでまいります。
さらにNPO法人や関係機関との連携を推し進め、専門性を生かした教育相談機能を十分に発揮して、効果的な取り組みを一層進めてまいります。
「いじめ問題」につきましては、人間として絶対に許されない行為であることを十分に認識し、これまでどおり「いじめ対応プログラム」を有効活用し、人間関係づくりのスキルアップの取り組みを継続し、未然防止に努めてまいります。
特に「携帯・ネット上のいじめ」が大きく社会問題化しており、携帯電話やインターネットの健全な使用についても保護者や子どもへの啓発に努めてまいります。
また、虐待をはじめとする子どもたちのさまざまな権利を奪う問題につきましては、学校生活および日常生活において十分な観察と注意を払いながら、早期発見に努めてまいります。そして、引き続き地域・関係機関と綿密な連携を図り、対応してまいります。
生徒指導面の課題に対しましては、課題を抱える子どもたちの立場にたった指導を重視し、学校にサポーターを派遣し、積極的できめ細かな支援を継続するとともに、関係機関との連携を強化し、校内の相談体制や指導体制の一層の充実に努めてまいります。さらに、必要な学校に対し、引き続きスクールソーシャルワーカーを派遣し、生徒指導の拡充に努めてまいります。
9年間の学びをつなげる中で、すべての子どもたちが自己理解を深め、自分らしい生き方を実現していけるように必要な能力や態度を育てるキャリア教育を推進してまいります。子どもたちに進路選択への能力を培うとともに、進路を保障するために公的な奨学金制度の周知、関係機関との連携を大切にした相談体制および学校における進路指導の充実に努めてまいります。
国際化の進む中、市内在住の外国人の子どもたちが学校園で円滑な学習や生活ができるよう支援し、本市の子どもたちが国際社会の一員としての資質や態度を養うために、国際理解教育を一層推進してまいります。
つぎに、幼稚園教育につきましては、幼稚園教育課程基準に沿って、各園の特色を生かし、園児一人ひとりの発達や特性に応じた保育をさらに充実させるとともに、さまざまな個性の中で育ち合う、豊かな幼稚園教育を展開してまいります。
併せて、「親と子の育ちの場」としての幼稚園が地域の子どもたちへ遊び場を提供したり、保護者に対する教育相談に応じたりするなど、幼児教育センターとしての役割を担うとともに、預かり保育の時間延長など子育て支援の一層の充実に努めてまいります。
また、「池田市子ども条例」の改正を踏まえ、幼保一体化の推進などを検討してまいります。
つぎに、学校給食につきましては、成長期にある児童の健康保持増進のため、栄養バランスのとれた食事を基本として、多彩な献立を実施するとともに、子どもたちの好みを反映するリクエスト献立を取り入れるなど、献立内容や調理方法の改善と工夫に努めてまいります。
また、食材料の品質や鮮度に配慮した地産地消の取り組みなど、給食の品質面と安全面の確保を図るとともに、食物アレルギーへの対応に努めてまいります。
さらに、給食だよりの紙面充実とともに、毎日の給食献立出来上がり画像を市ホームページや携帯電話へインターネット配信するなど、給食情報の発信にも力を注いでまいります。
中学校給食につきましては、スクールランチプロジェクトの意向を踏まえながら、安全・安心で、より効果的な給食のあり方の検討に努めてまいります。
つぎに、生涯学習につきましては、市民が生涯にわたって学ぶ意欲と目標をもち、自主的に学びながらさまざまな市民活動が活発におこなわれる生涯学習社会の実現のため、生涯学習推進計画を策定し、学習支援の取り組みを図ってまいります。さらに、多様化・高度化する市民の学習ニーズに対応するため、社会教育関係団体や各種委員会の意見を聞くとともに、学校・家庭・地域やNPOなどと連携しながら各施策の充実を図ってまいります。
中央公民館につきましては、市民の生涯学習を推進する拠点施設として多種多様な学習内容の充実に努めるとともに、ふれあい・交流の場を今後も提供してまいります。
また、市民の学びと交流の場として、さらに立地を生かした情報提供機能をもった市民の生涯学習の拠点施設として生まれ変わるべく、市長部局と十分連携を図りながら、建替えに向けた構想、計画に取り組んでまいります。
図書館につきましては、蔵書の充実や移動図書館および池田駅前サービスポイントの活用を図る一方、貸出冊数の増加に努め、企画展示の充実、本やインターネットを使い医療情報その他市民生活に関わる情報提供に努めるなど、今まで以上に、地域の情報拠点としての役割づくりを進めてまいります。また、石橋プラザにつきましても、市民サービスの一層の充実に努めてまいります。
五月山児童文化センターにつきましては、「科学の館」として、また、水月児童文化センターは「遊びの館」として指定管理者による民間のノウハウを生かした特色ある施設づくりに努めてまいります。
児童館につきましては、指定管理者による柔軟な発想と活力により、子どもたちの学習ニーズに対応し、放課後や休日の子どもたちの「学びの館」としての活動が展開されるよう努めてまいります。
山の家につきましては、指定管理者と引き続き連携を密にし、市民や子どもたちのニーズに応じた事業展開を図っていくよう働きかけてまいります。
文化財保護につきましては、貴重な文化財を保護・継承するための調査をおこない、適切な保存対策と現地公開などの活用を図ってまいります。また、市史編纂事業につきましては、「池田市史」史料編の編纂を進めてまいります。
さらに、歴史民俗資料館では、これらの成果や独自の調査成果を展示事業などによってひろく還元するとともに、継続的な資料の収集に努め、その保存、管理に取り組んでまいります。
スポーツの振興につきましては、子どもから高齢者に至るまで、それぞれのライフスタイルやスポーツニーズに応じて、安全で楽しいスポーツ活動を実践し、健康の維持増進はもとより青少年の健全育成やコミュニティづくりが図れるよう各種事業の開催に努めてまいります。
また、各種スポーツ関係団体や地域などと連携を図り、市民がスポーツ・レクリエーション活動に親しみやすい環境の整備・充実に努めてまいります。
総合スポーツセンターにつきましては、指定管理者と連携を保ち、市民スポーツ活動の場として、施設の提供と市民サービスの向上に努め、生涯スポーツの普及振興を図ってまいります。
つぎに、学校施設につきましては、呉服小学校本館校舎ならびに池田小学校の西校舎および中校舎の耐震補強および大規模改造工事に引き続き、本年度も池田小学校東校舎のリニューアルを含めた耐震補強工事を積極的に進めてまいります。
さらに、小中一貫教育と総合的な学校施設再編整備計画の着実な実施に向けて、保護者や地域住民などの理解を得ながら、効率的な施設の耐震化に努めるとともに、しい時代の教育にふさわしい安全・安心な学習環境の整備に努めてまいります。
社会教育施設につきましては、今後とも施設整備に努めてまいります。
以上、平成24年度の池田市教育行政の大綱を申し上げました。
なお、厳しい社会経済情勢の中で、次代を担う子どもたちの未来をしっかりと見据えながら、学力をはじめとするさまざまな教育課題の現状を踏まえ、生きる力を養い、思いやりのある豊かな心と社会に貢献できる力を育めるよう、教育環境の充実など、多様なニーズに応えた教育を積極的に展開し、「教育のまち池田」のさらなる充実に向けた教育行政を遂行していくことが教育委員会に課せられた責務と考えております。
議員各位におかれましては、より一層のご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げ、平成24年度の「教育方針と主要施策」といたします。
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