第2回小中一貫教育推進委員会「学力向上の取組みについて」
1.「学校内の家庭の社会経済的背景による影響を縮小する学校の取り組み」
教育委員会事務局からの資料説明
経済的背景を乗り越えて効果的な取り組みをしている学校がある。その例を資料(平成27年3月 大阪府小中連携・小中一貫教育推進協議会 文科省 武藤氏 講演資料及び平成27年度 第5回小中一貫教育推進委員会 中間報告 京都光華女子大学 西 孝一郎 准教授 講話より抜粋したもの)に示しているので、各校・各学園の取り組みの参考にしていただければ。
京都市は、小中一貫で取り組む授業スタイルとして「学習課題(めあて)とまとめ(振り返り)をきちんと対応させる授業を全市的に取り組み、一定の成果を挙げている。
2.「ほそごう学園SE通信」
先進校の取り組みを参考にして「ほそごう学園」として、 1.授業づくり 2.授業規律の徹底 3.自学自習力の育成 4.保護者・地域との連携の4つの観点で、小中合同で取り組んでいく。
・学園としてSE(スクールエンパワーメント:開かれた学校づくりを推進し、学校と保護者・地域を「学び」でつなぐことで、学力向上をめざす)の取り組みも小中一緒にやっていく。
・「振り返り」の捉えなど小中の違いはあったが、たくさん意見が出てよかった。これからすり合わせていく。
・小中別の取り組みもあるが、学力の二極化や家庭学習の定着など共通の課題がある。
?小中ギャップ
・小学校で80点・90点取っていた子が、中学校では、50点・60点。保護者は心配
し、子どもはショックを受け、学習意欲をなくしてしまうことがある。
?7年生(中学校1年生)へのアンケート
・中学校でいいなあと思ったこと
くわしく教えてもらえる。
(日々の)宿題が少ない。
・中学校でとまどったこと
授業のスピード。
先生が代わるので提出物をどこに出せばいいのかが分からない。
教科書の種類が増えるなど物の管理が大変。勉強の仕方が分からない。
テストが難しい。
⇒中学校で、週末課題を出す、教科ごとの日々の宿題の調整の検討。
3.「家庭学習の手引きの活用について」(細郷小・中)
中学校入学時に「家庭学習の手引き」は配っているが、教科の特性があるので「テスト勉強の仕方」の作成を各教科にお願いしている。
4.「学習のやくそく」
小中一貫教育の取り組みの中、学園として3小学校(秦野小学校・緑丘小学校・五月丘小学校)で、合わせられるものは合わせようとして作ったもの
5.「きたてしま学園 学びあいのルール」
3年前SEの取り組みの中で、中学校で進めていた「ペア学習」や「グループ学習」を小学校にも広めていった。何のために「ペア学習」や「グループ学習」をするのかということが大事。そのことを確認するために中学校では、学年集会で説明した後、教室にも掲示している。小学校でも、高学年の教室には掲示して、これから広めようとしているところ。
6.「くれは小学校スタンダード」(くれタン)
昨年度からコーディネーターが調整し、これだけは学校としてそろえていこうということで、今年度から始めた。
7.「いしばし学園小中一貫教育 平成28年度の取組み」
「めあて」の提示、授業の流れ・展開の工夫など子どもの姿から授業をみるということで進めてきた。
アンケート・討議の柱なども検討。
教師が子どもをみる視点など小中で同じことをめざすことを大事にしている。
・【石橋小学校】 第1回授業検討会
1.「めあて」 2.「展開の工夫」 3.「振り返り」の3つの視点
・石橋南小学校:算数の授業研究
1.教材研究 2.展開 3.UD(授業のユニバーサルデザイン:どのクラスもいる、発達障がいの可能性がある子、学力が劣りがちな子に対する工夫や配慮が、クラスの他の子にも、楽しく「わかる・できる」授業づくりに通じるというもの) の3点
・石橋中学校:今回は美術・体育の授業研究、UDも
「いしばし学園」授業研究会に関わって6時間目の授業をカットする連絡を小学校は、年度当初、保護者にしている。
中学校は定期テスト期間中4回、2回は授業カット。
授業研のもち方
?ほそごう学園
1~9年を前期・中期・後期に分け、学力(教科)と人権(地域・キャリア教育を含む)の2部会、それぞれ1本ずつ大研(公開研は学力と人権1本ずつ。)
授業スタンダード、UD。卒業した後、社会で生きいく力をどうつけていくか、9年間のカリキュラムの検討も。
?きたてしま学園
学園内各校に知らせてお互い参観し、授業検討会にも参加する。公開研については、小学校は特別時間割を組む。
?しぶたに学園
全員参加という形はできていない。大きな課題。大研の調整も大変。
ビデオを撮るなど形をかえてでもやっていくことも考えないといけない。
?いけだ学園
年3回道徳で。授業をみる視点は、Withの日の授業検討・授業研究部会で検討。
6/28池小:中学のテスト期間中
8.「算数診断テスト」
前年度までの「数と計算」領域の定着度をみて指導に活かす。4月にすることで、家庭訪問期間中・個人懇談期間中に補充学習もする。
3学期にもう一度する。
?「ノート指導」(池田小)
職員向け、どういうノートを作っていくのかを共通確認。
しばられることになるが、効果もあらわれる。
板書もしばられるが、教材研究も確実にしないといけなくなる。子どもたちの書
く力がつく。
?石橋南小
今年から4領域(数と計算・量と測定・図形・数量関係)、算数の教科書の一番後ろの学年のふりかえりの問題を使ったテストを2~6年が4月末にした。それを受けて習熟度別指導をする。
3月に再テストをする予定だが、年度の中ごろにもするかは検討中。
週1回、つまずき解消をねらって、課題がある子どもを対象に放課後、算数教室をする。
「SE事業がめざすもの」
?教育委員会事務局より
子どもにとっていいことを学校全体として統一して組織的にやりきっていこうということ。
全国学テの結果を分析し、どんな課題があるかを把握して研究活性化計画を作成してもらっている。子どもにとっていいことをしてもらうスタート。
小中合同で学テの分析会議をしているところが、府内でも増えている。
校区での子どもの課題が見えてくる。その課題がどこから始まっているのか。小3時点か、もっと前なのか、ということが見えてきたら、次に何をしていくかがはっきりしてくる。
今年の中3は小6でも全国学力・学習状況調査をしているので、同一集団の経年比較ができる年。子どものためにもなる。検討していただければ。
・黒板掲示カード:「めあて」「ふりかえり」
・生徒会とのコラボ
相互参観授業が始まることのよびかけ
・子どもによる授業評価(アンケート)
・授業ルールの掲示
・チャイム着席強化週間
・学校(学習)環境力向上交流参観
・小学校の定期考査(学力の定着を測るテスト)
更新日:2021年02月01日