THE GOOD LIFE IKEDAインタビュー Vol.5

更新日:2026年02月02日

好きなまちで形づくった書店をベースに、本という文化を未来に繋ぐ

下村 かおりさん ささやき書店店主 三児のママ。2012年に焼き菓子の製造販売をスタート、2019年に菓子工房の名前を「murmur(ムルムル)」とする。2021年10月に「ささやき書店」をOPENし、現在は700冊前後を取り扱っている。公園や商店街等で本のマルシェ「推し本マルシェ」を主催する。

 

 

「やりたいことは口に出してみる」で実現。10年越しの思いを形にした書店  <書店の外観の写真>古い建物を改装して作った「ささやき書店」は、靴を脱いであがるスタイルの本屋さん。呉服小学校近くにあり、近隣や遠方から様々な方が訪れます。

 

本屋を始めるきっかけは「やりたいことは口に出した方がいい」という言葉でした。子育てが一段落した時期に、ずっと抱いていた本屋への憧れと、「子どもと本屋さんに行って、落ち着いて本を探すのが大変だったな」という経験とが重なり、思い切って家族に「本屋をやりたいんだけど」と相談したら「やってみたら」と背中を押してくれました。

そうやって思いを口にしだしたら不思議と物事がするすると動き出して。馴染みの工務店に相談するとすぐにプランが決定し、まるで周りに引っ張られるようにして開店準備が進んでいきました。そのスピード感は、私の心の準備が追いつかなかったほどでしたが、開店へ向けて本の仕入れや契約などを慌ただしくこなしながら「やはり、言葉にしなければ物事は始まらないのだな」と実感したことを覚えています。

 

 

「本」と「焼き菓子」の共通項は「ささやき」。大好きな五月山や猪名川の自然音がヒントに <店内の書籍の写真>約700冊の書籍が季節にあわせて入れ替えられ、子どもの手が届きやすい低い位置に並べられます。 <店内にある子ども用のおもちゃの写真>陽当たりがよい店内には、小さな子が安心して滞在できるように、木のおもちゃなどが用意されています。

 

生まれ育った池田は、五月山や猪名川など自然が豊かな地域です。野鳥の声、川のせせらぎ、木の葉の擦れる様子や気配が心地良く、身近にある自然から「かすかに聞こえてくる音」に囲まれた環境に愛着を感じます。

この「かすかな音」を意味することば「murmur(ムルムル)」を菓子工房に、「ささやき」を書店の屋号に付けています。子どもも、大人も、気軽にそしてじっくりと「本から聞こえるささやき」に耳を傾けながら本を選んで欲しい、と日々想っています。

 

 

本という文化を未来に繋ぐ、今の私にできることが「子ども専用の100円棚」と「推し本マルシェ」 <100円棚の写真>「100円棚」の売上は店の利益にせず、動物保護活動などへ寄付しています。<推し本マルシェに出展したときの写真>「推し本マルシェ」では、本・焼き菓子・グッズなど、一期一会の出会いが楽しめます。

 

スマートフォンに親しむ子どもたちも、一度読書の楽しさを知れば、人生の必要な時に再び本を手に取るようになると思っています。「本と出会う、自分で選ぶ」という経験をしてもらいたくて店に設けたのが「子どもしか選べない100円の棚」です。この棚にある本は、地域の人々からの寄贈で成り立っていて「子どもにぜひ読んでほしい」という思いが込められた本だけが集まっています。100円なので「失敗を恐れずに、子どもの興味で本を選ばせてあげられる」と好評です。

また、店舗外で本と触れる機会を作るために、本屋さんやコーヒー屋さんなど数店舗で集まって開催する「推し本マルシェ」を始めました。満寿美公園やサカエマチ商店街など、人通りがある場所にマルシェを出すことで、本という文化に気軽に触れて楽しむ幸せを、一人でも多くの人に味わってもらえたらなと思っています。

 

 

本からの心地よい「ささやき」がたくさんの人に訪れる日常を願って

 

本は生活必需品ではありませんが、読めば自分の中で「何か」が育ちます。選んで、読んで、を繰り返す事で自分が好きなものが見つかるかもしれませんし、人生の何かと繋がっていくかもしれません。そんなきっかけを、地域や知人との連携も含めながら、様々な方法で作りたいと考えています。本の移動販売などもおもしろいかもしれません。その時々で、自分の身の丈に合った提案を考えながらコツコツ続けていきたいと想っています。


<infomation>

公式Instagram ささやき書店:@sasayaki_shoten
公式Instagram murmur:@sasayaki_murmur
公式Instagram 推し本マルシェ:@oshi_bon_marche

各問い合わせ先:Instagramのメッセージからどうぞ

 

 

“いいひと いい暮らし いけだ”

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