THE GOOD LIFE IKEDAインタビュー Vol.6



高速道路などの工事現場監督として各地を飛び回る生活を30年近く送ってきましたが、義母が要介護状態になったのを機に仕事を辞め、池田市へUターンしました。知り合いの社会福祉法人の理事長から「うちで働くか?」と言ってもらったのが、畑違いの「福祉の世界」へ足を踏み入れたきっかけです。
昼は働き、夜は勉強のために介護福祉士養成校に通う生活を続けるなか、高齢者配食サービスの現場で大勢のボランティアの方々がイキイキと活躍している姿を目の当たりにしました。彼らにとってそこは「活躍の場」だったんです。そのまぶしい姿は私にとって「ボランティアの原点」です。
「その時のボランティアの方々に少しでも近づきたい、あるいは恩返しをしたい」という想いが、現在の自身のボランティア活動の根底にあります。

福祉の仕事を定年まで勤めましたが、退職後はしばらく精神的に落ち込み、地域との関わりもなかったため何もする気になれない時期を過ごしました。自分自身、つながりを求めていたんだと思います。一念発起して「何かできることはないか」と考え、広報誌で「池田市認知症サポーター養成講座」を知って受講し、その後「オレンジ(認知症)パートナー(※2)養成講座」に応募しました。
同時期に、いつもyobouいけだの「撮影マイスター養成講座」にも参加しました。工事監督時代に現場写真を撮って報告書を作ったり、デイサービス勤務時代に花の写真を撮って利用者さんたちにお見せしていたりしましたが、撮影技術がこの養成講座でスキルアップできたので、「オレンジカフェでの会話のきっかけになるかも」という思いで、写真を撮影して持参するようになりました。
活動当初は認知症の方やご家族と上手くコミュニケーションできるか不安でしたが、「チームで支えること」や、相手の立場に立ち気持ちに共感しながら理解しようとする「傾聴の大切さや素晴らしさと難しさ」を心に留めながら交流を重ねることで、不安は次第に小さくなっていきました。
※1 オレンジ(認知症)カフェ:認知症の本人、家族、地域住民、医療・介護の専門職が集い、認知症について悩みを共有しながら必要に応じ専門職に相談できる、支援の場。
※2 オレンジ(認知症)パートナー:「認知症になっても、できないことを様々な工夫で補いながら、できることを活かして希望や生き甲斐を持って地域で暮らしていく」「認知症があってもなくても、同じ社会の一員として、地域を共に創っていく」まちの実現に向け、活動する市民ボランティアのこと。本市で令和2年度より養成を開始した。

オレンジカフェでの活動をしていくにつれ、市外も含めて様々な集まりに参加するようになりました。認知症介護の研究機関が開催する「認知症カフェモデレーター研修」を受講したり、地域での孤立を防ぐために政府が取り組む「つながりサポーター」の養成講座の講師としてお話しする機会を得たり、府立高校でALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う生徒の学校支援員として活動したり、他市で開催されている認知症カフェでもパートナーとして活動したり、と、声がかかればできるだけ応じて関わり、学び、活動していくようにしています。
様々な方とお話をするなかで、支援を必要とする人のニーズや興味に合わせて地域の活動やサービスにつなげる「リンクワーカー」の存在が必要だと痛感しています。その為には、自分自身が地域の社会資源を知りそれをつなぐ「ハブ」となって、地域全体で支えあう「地域共生社会」の仕組み作りが大切だと思っています。

まだまだ認知症に対する社会の無理解や偏見があり、周囲のほとんどの人が「オレンジカフェ」を知らないという現実に直面しています。「オレンジ売ってるの?」と聞かれてしまうほどの認知度の低さを痛感し「自ら広めていく活動をしなければ」という強い使命感が芽生えました。
認知症当事者のなかには様々な経歴の方がおられ、英語が堪能だったり、花の名前にとても詳しかったりされます。その人その人がイキイキと輝ける場所やコトを見つけ、そこへつなげることこそがパートナーの仕事だと考えています。そのためには、パートナー自身が様々な場所とつながり、「自分の引き出し」をたくさん持っておくことが非常に大事だと感じています。
人々の認知症への理解が深まれば、地域も変わる。それが、誰もが住みよいまちにつながっていく。そう信じ、私自身が周りの人々から与えてもらった「つながり」という大きな財産を大切にしながら、活動を続けていきます。
<infomation>
●オレンジ(認知症)カフェ
●オレンジ(認知症)パートナー養成講座(秋頃募集予定)
●認知症サポーター養成講座

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更新日:2026年02月19日