THE GOOD LIFE IKEDAインタビュー Vol.11

更新日:2026年08月04日

地域全体をつなぐ総合型クラブとして スポーツの力で、人とまちを元気にしたい

<プロフィール> 大井 拓己さん NPO法人 SPORTS UNITED IKEDA代表理事 小・中学生の頃からサッカーに打ち込み、その後、母校・金光大阪高校サッカー部で指導者としてのキャリアをスタート。2021年に、生まれ育った池田市でNPO法人SPORTS UNITED IKEDAを設立。幼児から中学生までを指導しながら、地域に根ざした総合型スポーツクラブづくりに挑戦している。

 

 

サッカー選手からトレーナー&コーチへ 経験を積む場が「ないなら、作る」  <大井さんを含めたチームがグラウンドで体を動かしている写真> 自身が立ち上げた「サッカー指導者向け講習会」を企画する団体活動の一環として、大学4年生の時に中国の湖南省長沙で現地の指導者に研修を実施した時の一枚。学生時代から一貫していた「ないなら作る」マインドで、課題に直面するたびに自ら道を切り拓き実践を重ねた経験が、クラブ設立という大きな挑戦へと繋がりました。

 

体を動かすことが好きで、小学1年生からサッカーを始め、体操、水泳、バスケットボールにも取り組みました。こうした多様な運動経験は、サッカーに必要な体の使い方や空間認知能力を養う上で大きな財産になっています。

一方、中高時代は成長期特有のスポーツ障害や骨折など怪我の連続でした。医療従事者やスポーツトレーナーに支えられた経験から、「怪我で苦しむ子を支える側になりたい」と考え、森ノ宮医療大学へ進学。現場経験を積むため、母校・金光大阪高校サッカー部で学生トレーナーとして活動しました。

その中で、「怪我のケア」だけでなく「怪我の発生頻度を抑えられる環境づくり」の大切さに気づき、その実現にはトレーナーという立場よりも、チームを率いる指導者やクラブ全体を統括する経営者の立場になる必要性を感じ、大学3年生でコーチへの転身を決心。しかし、大学にはコーチングを学ぶ環境がなかったため、自ら講習会を企画する団体を立ち上げ、SNSで参加者を募り、外部講師を招いて学びの場をつくりました。この経験が、後に創設するSPORTS UNITED IKEDA(以下、スポユニ)のづくりの基盤となっています。


池田市にこだわったのは、生まれ育った地元・池田市への深い愛情があるから。居心地もめちゃくちゃ良いですし、人の優しさ、あったかさ的なところも間違いなくあります。大学生の時、池田市内には中学生がサッカーを続けられるクラブチームが一つもなく、教育実習で訪れた母校・池田市立石橋中学校でかろうじて存続していたサッカー部が翌年廃部になる話を聞いて「サッカーできる場所がなくなるんや」と衝撃を受けました。「何とかして地元でサッカーができる環境を作りたい」という強い使命感が、池田市に根ざしたクラブを自ら立ち上げるという決意につながりました。

 

 

ヨーロッパから得た「教えすぎない」マインドで 楽しさと創造性を育む  <小学校就学前の年代の子どもたちが笑顔でボール遊びをしている写真> 楽しく基礎運動能力を育む、ドイツの児童教育研究によって生まれたバルシューレ。初めてスポーツに挑戦する子どもにオススメです!  <小学生の年代の子どもたちがグラウンドでサッカーをしている写真> 子どもたちの「上手くなりたい!」という気持ちをくすぐるような練習で、考える力や主体性を身につけてもらえるようにサポートしています。

 

大学時代にサッカー指導者としての学びを得るために訪れたスペイン・バスク地方には、12歳までは専門競技を一つに絞らせず、複数競技に取り組む「マルチスポーツ」を推奨することを条例で定めている地域があり、多様な経験を地域全体で支えていることに強く感銘を受けました。また、学校にグラウンドを持たず、地域のスポーツ施設を多世代で共有するヨーロッパの文化にも魅力を感じました。グラウンド脇のバルで、保護者がコーヒーやビール片手に子どもたちのプレーを眺め、「今のはいいプレーだな」「頑張っているな!」と語り合う。スポーツが生活の一部として溶け込んでいるその光景は、私の目指すクラブ像をよりチャーミングに、具体的にイメージさせ、2021年に総合型スポーツクラブのスポユニを創立しました。

さらに、日韓W杯後にドイツが「教えすぎ」を見直し、ストリートサッカーのような曖昧さを残した創造性を育むプログラムを開発したことにも共感しています。私自身も「1から10まで教えすぎない指導」を大切にし、楽しみながら運動の基礎を育むドイツ発祥のボール遊びプログラム「バルシューレ」を導入しています。

「のびのびとプレイできる場所」を提供し、その子の人生にとってスポーツが何であるかを問い続ける。これが私たちが大切にしている考え方のひとつです。

 

 

池田市教育委員会公認! 部活動地域展開から生まれたサッカーチーム  <中学生の年代の子どもたちがグラウンドでサッカーをしている写真> 技術だけでなく、将来に繋がる幅広い知識と力を身につけてもらえたらと願っています。  <中学生の年代の子どもたちの集合写真> 挑戦する心でサッカーを本気で楽しみ、仲間と助け合い、成長できる環境です。

 

スポユニのサッカークラブには、小学生対象の「ジュニアサッカースクール」と、中学生対象の「SPOUNI FCジュニアユース」「SPOUNI FCアカデミー」があり、初心者から経験者まで幅広く参加できます。特に「SPOUNI FCジュニアユース」は、部活動地域展開を受けて2025年度にスタートした池田市唯一の中学生サッカークラブチームで、経験豊富なコーチ陣が選手一人ひとりの可能性を最大限に引き出す指導を行っています。

クラブ運営は、人との縁を大切に築いてきたネットワークによって支えられています。中学生への指導は、池田・箕面・豊中など自治体を越えて集まった現役の中学校教員たちが担っており、中には「部活動の地域展開」の過渡期に各自治体で「兼職兼業届」の第一号となった人もいます。「子どもたちにより良いスポーツ環境を」という思いで道を切り拓き、制度上の課題にもネットワークを生かして迅速に対応しています。

また、現役の中学校教員が複数人コーチとして関わっている強みを活かし、競技力だけでなく学業にも力を入れた「学業とスポーツの両立」を重視する指導も大きな特徴です。競技力がありながら学力面が壁となり、希望する進路への推薦を逃す生徒を見てきた経験が、将来を見据えた指導につながっています。

 

 

「帰ってこれる場所」へ 地域をチームにする仕組みづくり

私の原点には、元アナウンサーである母の存在があります。「自分のやりたいことを仕事にする」姿や、「やったらええやん」という言葉にいつも背中を押されてきました。自身の名前(拓己)に込められた「己の道を切り拓きなさい」という想いも大切にしており、「ないなら作る」「自分の道を切り拓く」という精神が、私の行動の原点になっています。

その精神を持ち続けて、将来は、幼い子どもから高齢者まで、誰もがスポーツを通じて交流できる場を池田市に生み出したいと思っています。そして、今関わっている子どもたちが大学生や社会人になった時に「帰ってこられる場所」でありたいと思っています。

スポユニの運営基盤を整えながら、地域の皆さんと共にこの大きな夢に向かって歩んでいきたいですね。皆さんもよかったら応援してください!

 

<information>

●NPO法人 SPORTS UNITED IKEDA
HP:https://spouni-ikeda.com/
公式Instagram:@spouni.ikeda
問い合わせ先:HPのお問い合わせフォームからどうぞ

中学校部活動の地域展開について

 

 

“いいひと いい暮らし いけだ”

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