活性汚泥微生物の紹介

更新日:2024年04月10日

活性汚泥とは

細菌類、原生生物、後生生物などの微生物の集まりからできていて、下水中の汚れを分解し、水をきれいにする役割を果たしています。活性汚泥の中にいる微生物は、季節や水の処理状況によって変化します。水質管理課では、顕微鏡を用いて活性汚泥を観察し、微生物の状態を把握しています。

活性汚泥微生物の数と大きさ

活性汚泥を含む水1ミリリットルの中に、原生生物や後生生物はおおよそ1万匹くらい、細菌類はそれらよりもはるかに多く存在していると言われています。
微生物の大きさは数マイクロメートル(1マイクロメートルは、1ミリメートルの1000分の1)の目に見えない小さなものから、大きいものでは1ミリメートルを超えるような微生物もいます。細菌類を米粒の大きさとすると、原生生物や後生生物はゴルフボールからバスケットボールくらい、人間は富士山くらいの大きさになります。

活性汚泥微生物の紹介

たくさんの種類の活性汚泥微生物が存在しています。ここでは、池田市下水処理場で観察できる活性汚泥微生物についてご紹介します。

活性汚泥微生物の動きをよりわかりやすくするため、動画へ随時更新しています。

 

原生生物

繊毛虫類(繊毛(せんもう)を持つ仲間)

ボルティセラ

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ボルティセラ(GIF動画)
大きさ 50~150マイクロメートル
とくちょう

別名「ツリガネムシ」とも言い、長い柄で伸びたり縮んだりする様子が観察できます。頂部の口で小さな細菌類を食べています。処理の状態が良いときによく出現します。

 

 

カルケシウム
カルケシウム
大きさ 100~200マイクロメートル
とくちょう

別名「エダワカレツリガネムシ」とも言い、ボルティセラの仲間ですが、より大型で、群れを作っています。ボルティセラと同じく、処理の状態が良いときによく出現します。

 

 

エピスティリス

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エピスティリス(GIF動画)
大きさ 50~90マイクロメートル
とくちょう

ボルティセラにそっくりですが、たくさんの群れを作っています。伸び縮みはせず、口だけを動かして細菌を食べています。処理状態が良いときによく出現します。

 

 

オペルクラリア
オペルクラリア(GIF動画)
大きさ 30~250マイクロメートル
とくちょう エピスティリスの仲間で、たくさんの群れを作っていることは同じですが、口の先からもう一つ小さな口が出ているのが特徴です。エピスティリスと同じく、処理状態が良いときによく出現します。

 

ポドフィリア
ポドフィリア
大きさ 50~90マイクロメートル
とくちょう 球形で長い柄を持ち、吸管と呼ばれるストロー状の管が体表面全体から出ています。ほとんど動かず、吸管を使って微生物をつかまえます。処理が良いときから、活性汚泥が分散傾向にあるときに出現します。

 

トコフィリア

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トコフィリア(GIF動画)
大きさ 45~70マイクロメートル
とくちょう ポドフィリアの仲間で、西洋梨形をしており、体の2または4ヶ所からストロー状の吸管が出ています。吸管を使って微生物をつかまえます。処理が良いときから、活性汚泥が分散傾向にあるときに出現します。

 

アキネタ
アキネタ
大きさ 30~60マイクロメートル
とくちょう トコフィリアにそっくりですが、体がより平べったく、柄が太くて短い点が違います。トコフィリアと同じく、吸管を使って小さな微生物をつかまえます。硝化がやや進んでいるときに出現することが多いです。

 

アスピディスカ

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アスピディスカ(GIF動画)
大きさ 30~60マイクロメートル
とくちょう 小型の微生物で、体の前と後ろに生えたとげのような毛(棘毛)を使い、活発に動き回ります。下水の処理状態が良いときによく出現しますが、環境の変化に敏感で、すぐに数が増えたり減ったりします。

 

ユープロテス

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ユープロテス(GIF動画)
大きさ 100~200マイクロメートル
とくちょう 体の形や動き方はアスピディスカに似ていますが、より大型です。棘毛を手足のように動かして泳ぎ回ります。下水の処理が良いときに出現しますが、大量に発生することは少ないです。

 

トロキリア
トロキリア
大きさ 20~30マイクロメートル
とくちょう

アスピディスカと形が似ていて、汚泥の周りにいる時もあれば、自由に泳いでいる時もあります。汚れがよく分解されて、下水の処理が良いときによく出現します。

 

 

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リトノツス(GIF動画)
大きさ 70~170マイクロメートル
とくちょう

体全体が短い繊毛でおおわれています。この繊毛を波だたせて、前後にすべるようにして動きます。処理状態が良いときから、活性汚泥が分散する傾向があるときに出現します。

 

 

アンフィレプツス
アンフィレプツス
大きさ 100~200マイクロメートル
とくちょう リトノツスの仲間ですが、動くスピードが遅く、やや大型です。体全体が繊毛でおおわれています。処理状態が良いときから、活性汚泥が分散する傾向があるときに出現します。

 

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トラケロフィルム(GIF動画)
大きさ 40~50マイクロメートル
とくちょう

小型の活性汚泥微生物で、汚泥のまわりで、体をくねくねと動かして動き回る様子が出現します。活性汚泥がバラバラになる傾向のときに出現すること多いです。

 

 

コレプス

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コレプス(GIF動画)
大きさ 45~60マイクロメートル
とくちょう

別名「タルガタゾウリムシ」とも言い、タルのような形をしていて、くるくると回転しながら、かなりのスピードで泳ぎます。下水の処理が良いときに出現することが多いです。

 

 

プロロドン

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プロロドン(GIF動画)
大きさ 130~200マイクロメートル
とくちょう

球形または楕円形で、体の周りにびっしりと繊毛が生えており、繊毛を波立たせて回転しながらゆっくりと移動します。下水の処理が良いときに出現することが多いです。

 

 

スピロストムム

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スピロストムム(GIF動画)
大きさ 150~400マイクロメートル
とくちょう 別名「ネジレクチミズケムシ」とも言い、細長い体の周りに繊毛が生えており、繊毛を動かしてゆっくりとすべるように移動します。活性汚泥がバラバラになる傾向のときによく出現します。

 

バギニコラ

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バギニコラ(GIF動画)
大きさ 160~200マイクロメートル
とくちょう トランペットのような形のカラの中に1匹か2匹入っています。カラは動かずに、内側の体が伸びたりちぢんたりして動きます。出現することは少ないですが、マレに大量発生することがあります。

 

キロドネラ

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キロドネラ(GIF動画)
大きさ 45~90マイクロメートル
とくちょう 卵形または楕円形をしており、お腹側は平べったく、背中側は丸みがあります。すべるように前後に動き、汚泥の周りでは体をくねくねと動かして動き回ります。活性汚泥の状態が不安定なときに出現します。

 

ステントル
ステントル
大きさ 800~2000マイクロメートル
とくちょう 別名「ラッパムシ」とも言い、ラッパのような形をしています。頭の部分に長い繊毛があり、伸びたり縮んだりする様子が観察されます。活性汚泥がバラバラになる傾向のときなどに出現します。

 

 

肉質虫類(アメーバの仲間)

アルケラ
アルケラ
大きさ 30~100マイクロメートル
とくちょう 別名「ナベカムリ」とも言い、かたいカラに覆われていますが、内側はアメーバ状の微生物です。若い時は透明ですが、時間が経つにつれ赤みを帯びてきます。活性汚泥が古くなってきたときによく出現します。

 

ケントロピキシス
ケントロピキシス
大きさ 110~150マイクロメートル
とくちょう

別名「トゲフセツボカムリ」とも言い、アルケラの仲間で、かたいカラに短い突起があります。ほとんど動かず、活性汚泥が古くなってきたときによく出現します。

 

 

ユーグリファ
ユーグリファ
大きさ 30~200マイクロメートル
とくちょう

別名「ウロコカムリ」とも言い、アルケラの仲間で、うろこのような模様が並んでいることが特徴的です。この微生物が大量発生するときは、下水の処理が良いときが多いです。

 

 

アメーバ
アメーバ
大きさ 25~400マイクロメートル
とくちょう ゆっくりとですが体の形が変化しています。汚れを体内に取り込んで分解し、水をきれいにしています。下水の汚れが少ないときに出現することが多いですが、増えすぎると逆に処理が悪くなります。

 

アメーバラディオサ
アメーバラディオサ(GIF動画)
大きさ 30マイクロメートルくらい
とくちょう

小型のアメーバで、たくさんの突起を持っており、ヒトデ形または星形をしています。主に細菌類を食べます。活性汚泥が不安定になったときに出現することが多いです。

 

 

 

鞭毛虫類(鞭毛(べんもう)を持つ仲間)

ペラネマ
ペラネマ
大きさ 40~70マイクロメートル
とくちょう 別名「フトヒゲムシ」とも言い、一本の長い鞭毛が生えていて、ゆっくりと泳ぎます。流入する下水の濃度が比較的うすく、活性汚泥がバラバラになる傾向があるときに出現します。

 

エントシホン
エントシホン
大きさ 30~50マイクロメートル
とくちょう 卵形で2本の鞭毛が生えていますが、そのうちの1本は激しく動いているため見えにくいです。体はかたく、形を変えません。処理がやや悪いときや活性汚泥がバラバラになる傾向のときなどに出現します。

 

モナス
モナス
大きさ 10~20マイクロメートル
とくちょう 小型の微生物で、長短2本の鞭毛が生えています。動いているときは短い鞭毛はほとんど見えません。形を変えず直線的に動きます。処理がやや悪いときや汚泥汚泥がバラバラになる傾向のときなどに出現します。

 

 

後生生物

ロタリア

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ロタリア(GIF動画)
大きさ 300~500マイクロメートル
とくちょう 別名「ヒルガタワムシ」とも言い、大型の微生物で、伸びたりちぢんだりする様子が観察されます。口で小さな細菌を食べています。流入する下水の濃度が比較的うすく、水中の酸素が多いときに出現します。

 

フィロディナ
フィロディナ
大きさ 300~1000マイクロメートル
とくちょう 別名「ベニヒルガタワムシ」とも言い、ロタリアにそっくりですが、あしゆびの本数がロタリアより1本多いです。流入する下水の濃度が比較的うすく、水中の酸素が多いときに出現します。

 

コルレラ

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コルレラ(GIF動画)
大きさ 110~140マイクロメートル
とくちょう 別名「チビワムシ」とも言います。体はカラに覆われており、一対のあしゆびを持っていますが、見かけ上1本に見えることがあります。流入する下水の濃度が比較的うすく、水中の酸素が多いときに出現します。

 

レカネ
レカネ
大きさ 150~160マイクロメートル
とくちょう 別名「サラワムシ」とも言い、コルレラの仲間です。カラの中に頭を引き込むことができ、2本のあしゆびを持っています。流入する下水の濃度が比較的うすく、水中の酸素が多いときに出現します。

 

レパデラ

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レパデラ(GIF動画)
大きさ 110~190マイクロメートル
とくちょう

別名「ウサギワムシ」とも言い、コルレラの仲間です。2本のあしゆびがあり、汚泥の周りをゆっくり移動します。流入する下水の濃度が比較的うすいときに出現します。

 

 

モノスティラ
モノスティラ
大きさ 160~180マイクロメートル
とくちょう

別名「エナガワムシ」とも言い、コルレラの仲間で、細菌類を食べます。長い1本のあしゆびを持っています。流入する下水の濃度が比較的うすいときに出現します。

 

 

カエトノツス

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カエトノツス(GIF動画)
大きさ 200マイクロメートルくらい
とくちょう 別名「イタチムシ」とも言い、体の後ろに二本の突起を持ち、うろこのような繊毛を波立たせて泳ぎます。下水の処理が良いときに出現しますが、大量に発生することは少ないです。

 

ネマトーダ
ネマトーダ
大きさ 500~3000マイクロメートル
とくちょう

「線虫」とも呼ばれています。細長く、体をくねらせるようにして動く様子が見られます。処理状態が良いときも悪いときも出現しますが、数が多くなることはまれです。

 

 

マクロビオツス

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マクロビオツス(GIF動画)
大きさ 200~1000マイクロメートル
とくちょう 別名「クマムシ」とも言います。土やコケの表面に住んでいますが、活性汚泥の中でも観察されます。クマのように、のしのしと歩く姿が見られます。水中の酸素が多く、処理状態が良いときにまれに出現します。

 

ナイス

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ナイス(GIF動画)
大きさ 3000~7000マイクロメートル
とくちょう ミミズの仲間です。活性汚泥微生物の中でも大型で、写真には写りきりません。口にふれたものは、何でも飲みこんでしまいます。水の中の酸素が少なくなったときにまれに出現します。

 

 

細菌類

スフェロチルス
スフェロチルス
大きさ

細胞の長さは

3~10マイクロメートル

とくちょう

細胞がつらなり、糸の様に広がった形(糸状体)をしています。この細菌が大量発生すると、活性汚泥が沈みづらくなり、下水の処理が悪くなります。

 

ベギアトア
ベギアトア
大きさ

細胞の長さは

4~20マイクロメートル

とくちょう スフェロチルスと同じく、糸状体を形成します。細胞内に黒色の硫黄粒を持ち、すべるように、または、うねるように動きます。大量発生すると下水の処理が悪くなります。

 

ズーグレア
ズーグレア
大きさ 細胞は1~3マイクロメートル
とくちょう

さまざまな細菌の集合体で、下水中の汚れを取り込んで分解したり、吸着したりして取り除いています。お互いがくっつき合って、活性汚泥を作る役割を果たしています。

 

 

この記事に関するお問い合わせ先

池田市 上下水道部 水質管理課

(古江浄水場)
〒563-0015
池田市古江町160番地
電話:072-751-8158

(下水処理場)
〒563-0044
池田市ダイハツ町3番1号
電話:072-751-8577
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