第6回ふくまる夢たまごセミナー

更新日:2021年02月01日

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授業研究と授業づくり

選挙に行かないと損、ホント、ウソ?!

 第6回夢たまごセミナーは、当初の予定より1週間遅れて、10月26日(金曜日)午後6時より、市庁舎7階大会議室で開催しました。参加者は、塾生・聴講生の27名が参加しました。今回は、丹松美代志セミナーアドバイザーが担当して「授業づくりと授業研究」をテーマに、講義と模擬授業を実施しました。

講義

授業研究と授業づくり

 最初に、東京都教育委員会作成の「教師として最小限必要な資質・能力」を紹介しました.その中で、今回は授業づくりに特化して取り組みました。世界の授業研究の流れを理解するために、国内の中学・高校、北アメリカ、ヨーロッパ、中国、韓国の授業風景のスライドを見て、共通点や気付いたことを出し合いました。世界の授業は、「対話と協同」をキーワードに取り組みが進められています。学習定着率を示す「ラーニングピラミッド」においても、学びあい、教えあうことがおおきな成果をあげていることが明らかになっています。そして、講義の最後に蒔田晋治さんの作った「教室はまちがうところだ」という詩を紹介しました。今では、子どもの未来社から絵本として発刊されている詩ですが、この詩から正解主義に陥らない授業づくりへのメッセージを込めました。

模擬授業

選挙と選挙をめぐる問題点 選挙に行かないと損、ホント、ウソ?!

 中学3年社会科の公民的分野の単元「国民としての国の政治を考えよう」(全12時間)の4時間めの授業として、模擬授業を設定しました。この日の塾生・聴講生には、中学生になったつもりで参加してもらいました。この時間の授業のねらいは、「投票行動をする生徒を育てる」ということです。

 導入教材には、AKB48の「ギンガムチェック」のCDを使いました。この曲は、AKB選抜総選挙の結果選ばれた上位16名による作品です。ここから、今日の授業の主題に迫ろうと考えました。次に、教科書や配付した資料から、AKB選抜総選挙と国政選挙を比較し、ワークシートに記入していきました。ここで、4人班の活動に移ります。個人調べの後、班で選挙をめぐる問題点を出し合いました。ポストイットに書いた個人の意見を班でグルーピングし、意見を整理しました。それを全体で共有し、選挙をめぐる問題点を明らかにしていきます。挙がった問題点の中から、若者の選挙離れ・政治離れがどんな状況を引き起こすか考えました。少子高齢化による世界一の人口減少に付随する問題、1,000兆円に迫ろうとする公債残高、公的年金の受取額の世代間格差等、これからの日本をどうするかという大問題に直面し、今後、自分自身はどう行動するか、考えていきました。        

班別協議

 模擬授業を終えて、班別協議に移りました。授業づくりにおける「導入」のあり方、グループ活動のあり方について話し合いました。児童生徒の実態に即した授業のねらいに迫る導入教材の検討、グループ活動の注意点や指導の視点、改善策が話し合われました。塾生・聴講生は熱心に意見交流をしました。

 最後に、山田信湖セミナーアドバイザーから、今日のセミナーのまとめがあり、改めて、授業づくりの視点を確認しました。

(写真)第6回ふくまる夢たまごセミナーのようす1
(写真)第6回ふくまる夢たまごセミナーのようす2
(写真)第6回ふくまる夢たまごセミナーのようす3
(写真)第6回ふくまる夢たまごセミナーのようす4

塾生・聴講生の模擬授業の感想

授業の感想を『私と選挙』というタイトルで書こう!

  • 私自身、選挙や政治に対する関心が低く、選挙の問題点にもなっている選挙・政治への無関心、若者の投票率の低さにつながると感じました。しかし、今日先生の授業を受けて今後の日本に対する不安、年金や人口減少などの問題を聞き、もっと真剣に日本の将来を考え、今の日本の政治を変えていけたらいいぐらいの気持ちでいないといけないと思いました。先生の導入からとても授業に引きつけられて、分かりやすく楽しい授業でした。
  • 私はもうすぐ選挙権を得ます。これから行なわれる選挙に私はどの程度関わるか考えたことなどありませんでした。今日、丹松先生の授業の中で、若者の選挙離れについて考える機会があり、そうしたことを通した後で考えると、政治を「分からない」で片付けるのではなく、知ろうとすることが大切だと感じました。そして自分の意志を一票に込めて、自分の生活のため、将来の私たちのため、子どもたちのためへと向けることが大切であると実感しました。今後さまざまな選挙で投票する機会があると思われます。そういったときに、適当に投票するのではなく、少しよく考えて、自分の意見が微々たるものでも反映されるよう、よりよい未来となるよう、投票しようと思います。
  • 楽しみながら勉強ができた!というのが第一印象です。授業の組み立てが自分の頭にすんなり入ってきて、導入から始まって最後まで知識が徐々に深まっていきました。先生の授業と、グループワーク、また個人作業、どれを取っても、一人で授業を受けている感じはなく、人や教材とのコミュニケーションを感じました。授業づくりも参考にさせて頂きたい所ばかりですが、先生の授業の雰囲気作り(話しやすい雰囲気でした!)も真似させて頂きたいです。ありがとうございました。
  • 今まで選挙のイメージは、難しく、あまりよくないもの、期待してもなにもない、のように、良いイメージを持っていませんでした。しかし、AKBの総選挙と比較させ、興味を持たせることで、「なんで認知度の差があるんだろう・・・」と、自分の中から疑問が出てきたように感じ、こういう授業をさせることの大切さを学びました。今、行なっている実習先の先生に「考えさせる時間を作りなさい」と言われたのですが、先生が自然と疑問を生み出し、子どものレールを作れるようになれば、本当にいいなあ・・・と思いました。本日はどうもありがとうございました。
  • 私自身、選挙に行くことがなかった。「どうせ自分が投票したところで何も変わらない。そもそもどの党に、誰に投票したらよいのかわからない。」このように思っていたからだ。でも、授業を聞いて行かないと損をすることが分かり、行くべきであることも知れた。もう少し関心を持って政治に関するニュースを見ようと思う。授業の導入、楽しかったです。子どもたちの知的好奇心を出せるよう、努力したいと思います。
  • 丹松先生の授業とても面白かったです。丹松先生の「机間指導」は的確な所をついていて、それを後で全体に反映させる技量がすごかったです。「私がもし先生になったら・・・」で、とてもマネしたいのがたくさんあったので、かきとめておきました。「ジャンプ」について知れてよかったです。改めて選挙について考え、来年には自分は投票しなければならなくなるので、しっかりと学習しなければならないと思いました。「先生はつねにアンテナをはっとかないといけない」とっても共感しました!!ありがとうございました。


次回、第7回の「ふくまる夢たまごセミナー」は、11月16日(金曜日)午後6時より、市庁舎7階大会議室で開催します。テーマは、「授業づくり2.」で、講師は五月丘小学校の校長先生です。11年前、当時、附属池田小学校副校長であり、「附属小事件のあの時」を語ってくださいます。

 教志塾では、引き続き聴講生を受け付けています。希望者は、名前、大学名、連絡先等、事前に教育政策課まで、お知らせください。また、現場の先生の参加も歓迎します。

この記事に関するお問い合わせ先

池田市 教育委員会 教育部 教育政策課
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