外部会場セミナー(池田市探訪)

更新日:2021年02月01日

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「池田の歴史発見」フィールドワーク


 9月1日(土曜日)の午後、先日の第4回セミナー「池田の歴史」を受けて、外部会場セミナーとして「『池田の歴史発見』フィールドワーク」を実施しました。案内役は、丹松美代志セミナーアドバイザーが努めました。参加の塾生・聴講生は20名、引率は教育政策課の指導主事と山田セミナーアドバイザーの5人の総勢26名です。1時45分に阪急池田駅改札口前に集合し、4時半の解散まで、途中の土砂降りも何のその、最後は天候も回復し,ほぼ予定のコースを歩くことができました。今回は、池田の歴史の特色である古代の渡来系の人々との関わり、中世の国人池田氏との関わり、近世の在郷町としての発展との関わり、近代の小林一三の郊外型の住宅開発との関わりを軸にしたコースにしました。訪れた史跡は、以下の通りです。


(1)呉服神社(くれはじんじゃ) :  中国の呉の国に使いを送って、そこから遣わされた織姫クレハトリを祭神の一人としていることが社伝に書かれています。恵比寿神社をはじめとして複数の神社が合祀されています。クレハトリの墓と伝えられる梅室(うめむろ)は、経塚(きょうづか)です。唐船が淵(とうせんがふち)、絹掛の松(きぬかけのまつ)、染殿井(そめどのい)などの伝承と併せて考えると、秦氏の一族が大陸から池田にやって来て、この地の開発に当たったことは間違いないと考えられます。 
(2)室町住宅 :  明治43(1910)年に阪急電鉄の創始者小林一三がロンドンやニューヨークの郊外住宅を参考に、1 区画100坪の建売住宅を日本で初めて月賦販売したものです。その後の郊外住宅の開発のモデルになりました。地元の室町会は市民憲章を定めて、町の保存に力を注いでおられます。
(3)呉服座跡(くれはざあと) :  室町住宅から西行し、猪名川の堤防を北に進むと呉服橋の少し手前に呉服座跡があります。在郷町として発展した池田では娯楽も盛んで、川向こうの川西座、山手側の明治座などの芝居小屋がありました。呉服座は昭和44年に明治村に移築され、江戸時代の芝居小屋の趣を色濃く残しているということで、現在、国の重要有形文化財になっています。
(4)呉服橋東側の道標 :  国道176号線より少し北側の民家の前に「妙見・中山道」と彫った道標があります。当時、橋のかかっていなかった猪名川を渡って西へ進むと中山観音に至ります(巡礼道と呼ばれていました)。北へ進むと妙見さんに至ります。173号線沿いの老舗のうどん屋の前の横断歩道を渡ると西光寺(さいこうじ) に着きます。
(5)西光寺(さいこうじ) :  浄土宗の寺院です。境内に、江戸時代に池田出身の力士として活躍した猪名川政右衛門(いながわまさえもん)の墓があります。江戸時代には、池田の町ではときどき相撲興行が行なわれていました。
(6)緑一酒造(みどりいちしゅぞう) :  西光寺の道を隔てた東隣に緑一酒造があります。江戸時代から続く酒造家で、建物のつくりが江戸時代の酒造家の雰囲気をよく伝えているということで、国の有形文化財の指定を受けています。
 

参加者の様子

(7)落語みゅーじあむとビリケンさん :  本町通り商店街の一角に落語みゅーじあむとビリケンさんがあります。池田には初代桂春團治の墓があり、これを縁にした落語の町いけだをめざす取り組みが進められています。9月8日には、ここで社会人落語日本一決定戦が行なわれます。みゅーじあむの道向いにあるビリケンさんの像は、通天閣のところのあるものの複製品です。もともとこのビリケンさんを造った田村駒治郎は池田出身で会社を興し財を成した人です。現在の市庁舎のところにあった公会堂は彼が寄贈したものでした。みゅーじあむの東隣には、かつての銀行の建物を活用している店があります。

漫才ミュージアム画像
ビリケンさん画像

(8)呉春酒造(ごしゅんしゅぞう) : 栄町商店街のはずれを北に進むと、現在の池田を代表する呉春酒造に行き着きます。現在もこの地で酒を造っています。
(9)稲束家住宅(いなつかけじゅうたく) : 稲束家は池田を代表する酒造家でした。明治45年まで200年間にわたる当主の日記は、池田の歴史を今に伝える貴重な文化財です。邸宅は、当時の町屋の趣を今に伝えるものです。
(10)伊居太神社(いけだじんじゃ) :  五月山の麓にある伊居太神社は、クレハトリと並ぶ織姫アヤハトリを祭伸の一人として祀っている神社です。広くて長い参道、中央に能舞台を持つ境内、いずれも秦上社(はたかみしゃ)とも呼ばれる式内社(しきないしゃ)の趣を感じることができます。

参加者の様子

(11)池田城址 : 15世紀に築城された国人池田氏の居城池田城の主郭(しゅかく)部分が、公園として整備されています。北は杉カ谷川、西は急峻な崖で守りやすい地形に成っています。拡張された城の範囲は、東は池田中学校の西側まで伸びています。南は当時の能勢街道を取り込み、総構えの姿を見ることができます。府内の中世の城郭を代表する1つです。

池田城址画像
参加者の様子

(12)逸翁美術館(いつおうびじゅつかん) :  新装なった美術館には、小林一三がコレクションした京都四条派の日本画家呉春の絵画、与謝蕪村の俳画、秀吉の肖像画などすばらしい収蔵品の数々があります。南隣の阪急文庫には、歌舞伎の資料や宝塚歌劇の資料など芸能関係のコレクションがあります。

参加者の様子

(13)雅俗山荘(がぞくさんそう) :  小林一三の旧居宅、元の逸翁美術館は、現在雅俗山荘として見学や昼食を摂ることができます。正門は、能勢の庄屋屋敷の物を移築しています。本館は、大正ロマンの雰囲気を今に感じることができます。
(14)星の宮 : 当時の能勢街道の南側にあった伊居太神社の末社です。クレハトリとアヤハトリの二人の織姫がここで機織をしたと伝えられています。境内には「左 京 大坂 道」と彫られた道標があります。

星の宮を説明中

 2時間半のフィールドワークでしたが、雨で気温が下がり、ラッキーでした。池田の各時代の特色を掴んで欲しいとの願いから企画したものですが、今日の学びを池田の学校現場に入ったときに生かしてもらえると幸いです。


 次回、第5回の「ふくまる夢たまごセミナー」は、9月21日(金曜日)午後6時より、市庁舎7階大会議室で開催します。テーマは、「子ども理解(生徒理解・特別支援教育)」で、講師として、市内の小・中学校の先生方をお招きしています。
 教志塾では、引き続き聴講生を受け付けています。希望者は、名前、大学名、連絡先等、事前に教育政策課まで、お知らせください。また、現場の先生の参加も歓迎します。

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