10月18日 11月15日 12月20日 ふくまる教志塾夢たまごセミナー

更新日:2021年02月01日

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シリーズ「先輩教師に学ぼう」


 第6回から8回にかけて、ふくまる夢たまごセミナーでは、本市の先生方を講師に迎えて、シリーズ「先輩教師に学ぼう」を実施しました。今回は、その概要についてお知らせします。

10/18 子ども理解と学級経営

 緑丘小学校の岡村先生は、現在は少人数指導担当ですが、6年を担任したときの取り組みを中心に報告していただきました。


 4月に、計画的な学級経営をめざして自分たちの卒業をイメージさせる。その際、子どもたちに伝えたことは、「1.自分の良いと思うことは進んでしよう。 2.自分に自信を持つ(子どもたちの課題) 3.命や生き方を考える1年間にしよう。」の3つである。学級づくりには、見通しを持った3つの視点(短期・中期・長期)が大切である。4つの具体的な取り組みを紹介する。1つ目は、子どもたちにクラスで大切にしたいことをキーワードのように出させて、「くらしのことば・学びのことば」を考えさせる。2つ目は、毎月1 回、自分が成長したと思うことを新聞にまとめ、友達や保護者、先生方に見せてコメントしてもらう。そのことで、成長を実感する。3つ目は、相互評価「ほめほめ」。4つ目は、1年間考えてきた「命・生き方」について自分の考えをまとめ、成人式のときに12歳の自分と再会する。そのためにも、普段、子どもとの関わりを楽しみ、授業で勝負する。

 続いて、渋谷中学校の谷池先生は、飾らずに自分の地を出して体当たりで学級経営をされている姿を報告していただきました。最後に、北豊島中学校の養護教諭の森川先生は、「ほけんだより」や保健の授業の資料や生徒の感想を持ち込んで、今の中学生の赤裸々な姿を報告していただきました。また、保健室が課題をかかえる生徒にとってかけがえのない存在であり、養護教諭と各担任との連携の大切さにも触れていただきました。若い現場の先生方の話に、塾生・聴講生は真剣に耳を傾けていました。

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受講生の感想を紹介します。

  • 3人の先生方のお話をきいて、授業、学級活動、保健室での様々な取り組みを知ることができました。担任として、クラスの子どもたち全体をみることは大切ですが、その中で1対1の関係も意識して関わることを心がけたいと思いました。どのような学級にしたいかを、自分の中で持ち続けながらも、子どもたちの学年(発達段階)やクラスの様子を踏まえながら、教師が押しつけてしまうことのないようにしたいです。そのためには、子ども一人ひとりをしっかり見つめ、話をきき、気持ちをくみとれるように人間性を磨いていこうと思います。
  • やはり、現場で現在も活躍されている先生方の生のお話を聞かせて頂くと、伝わってくるものも違い、熱い思いがいっぱいになりました。学級経営は、担任にとって重要なところだと思います。理想の教師像があるのは大切だと思いますが、それにとらわれすぎず、目の前の子どもをしっかり見つめ、ありのまま向き合いたいと思いました。保健室から見た学校のお話を聞けてよかったです。どうしても、クラスといった目の前ばかりになりがちですが、学校があってのクラスです。連携の大切さを改めて気付かされました。
  • 3人の先生方のお話を聞けてとてもいい経験をしました。岡村先生の取り組みを 将来使わせていただきたいです。谷池先生には熱意の大切さを学ばせていただきました。・・・私なりの形で熱意を伝えていきたいと思います。森川先生にはチーム教育の大切さを学びました。ありがとうございました。
  • 今日のセミナーの内容は、先生ってすばらしいといったことだけでなく、しんどい現実なども知ることができました。学級経営というのは範囲が広くてイメージがしづらかったのですが、自分の理想の教室を思いうかべることも大切だということを班別協議で教えていただきました。・・・今日学んだことをいかしていきたいと思います。
  • 今日の講義では、3人の先生方のお話を聞かせていただくことができ、自分が教師として働く上でとてもためになる話ばかりでした。岡村先生のお話では、自分も取り組みたいと思うような「仕掛け」が多くありました。自分の成長を残しておいたり、他人から評価されることで自尊感情を育んでいけるのだと感じました。谷池先生のお話では、自分もボランティアで小学校に入らせていただいている中で仮面を被っているなあと感じました。ありのままの自分でいいと言っていただけたような安心感を得ました。森川先生のお話では、子どもたちは自分が思っているよりも本当にささいなことで悩むということが分かり、自分が決めつけてはいけないと感じました。ほめることとルールを徹底することを軸に学級経営をしていきたいと思います。
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 多忙な中、講師を務めていただいた3人の先生方、ありがとうございました。

11/15 授業づくり

 第7回のふくまる夢たまごセミナーは、シリーズ「先輩教師に学ぼう」の2回目です。テーマは、「授業づくり」です。講師は、池田小学校の南岡先生と細河中学校の奥田先生です。
 南岡先生は、つながりを大切にした授業づくりについて、豊富な実践資料を持ち込んで報告していただきました。小学校1年生に、子どもどうしは勿論の事、地域とのつながりを意識させるための工夫や、ノート指導での吹き出しの工夫など、具体的な事例を示していただきました。奥田先生からは、中学校の地理学習の分野で日本の地域区分の学習の導入に「どん兵衛」を使った実践事例を報告していただきました。子どもたちに身近なものを教材に活用する点は、たいへん興味深いものでした。

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 参加者の感想を紹介します。

  • 今日のセミナーでは、授業づくりにおいて大切にしたいことを再確認できました。自分や友だち、地域、人とのつながりを作りながら授業をすることで教科での学びを越えた力が子どもたちにつくと思いました。また、身近な題材や具体物を用いることによって、興味や関心を引き、授業を身近に感じられることがわかりました。授業の準備として、子どもたちの実態やクラスの様子を知っておくことが基本になると考えられました。そのためには、前回までのセミナーで学んだ学級経営についての自らの考えをもっておきたいです。
  • 授業づくり、つながり、とても大切だなと、ぜひ、そういったことに長けた教師になりたいと思い、聞かせて頂きました。授業づくりは、本当に奥が深いものだと思います。教材研究をしたからといって上手くいくわけではありません。主体である子ども達の姿によるからです。また、授業をする教師によるからです。しかし、少しでも子どもが興味を持ち意欲的に学べるように、日々、研究、工夫していきたいと思いました。今回紹介のあった「どん兵衛」のように、すごく身近なもので導入に使えるものがあるはずです。柔軟に広くアンテナをはりめぐらせたいです。
  • 小、中それぞれの現場の先生方のお話を聞かせていただきました。現場の子どもたちの話を交えながら、授業づくりの最前線に触れることができました。班別協議では、実習での経験、苦労など、体験談を語りながら、教材研究について話しました。子どもたちから出る突拍子のない発言、展開にどう対応するか、興味を引くためにどのような工夫ができるか、導入、教具についてなど、多くの意見を聞くことができました。・・・今後のふくまるの授業サポート、その他のボランティアなどで、授業に触れる機会があれば、活かしていきたいと思います。
  • 授業の中でつながりをもたせることの大切さ、たのしさ、を再確認しました。子ども主体ということを本当に意識して行なっていけたらと思います。「子どもは自分のことを話しているときがいちばんイキイキしている」という南岡先生の言葉にとても共感したからです。「どんべえ」という身近なものを使った授業は魅力的だと思いました。どんなときでも、何か授業に役立つのではないかな、という意識を持ちつづけることが大切だと改めて思いました。今のうちから、こんな授業をしたいな、こんな題材を使ってお話したいな、こんな学級にしたいな、というのを考えておこうと思いました。すごく、わくわくします。
  • 本日は「授業づくり」について2人の先生にお話をして頂きました。共通して大切だと感じたことは、1つの題材からどんどん「つながっていく」ということです。人と人とのつながりも、教材をこえた知識の広がりも、題材や導入の仕方を工夫するだけで、無限の可能性をもったものになると感じました。しかし、どれだけ「よい授業」を計画しても、そのクラス、その時期、その能力に合っていなければ「よい授業」になりません。それまでの学級作りや児童理解が「よい授業」を「よりよい授業」にするために必須だと思いました。普段からアンテナをはったり、先生方の技をぬすんで、今から考えていきたいと思いました。
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 貴重な日々の授業実践を披瀝していただいたお二人の先生に感謝します。

12/20 人権教育について

 シリーズ「先輩教師に学ぼう」の最終回は、人権教育について教育委員会学校教育推進課田阪指導主事と細河小学校の岡先生を講師として迎えました。
 田阪指導主事がナビゲーターを務め、受講生に人権教育のイメージを出させながら学習が始まりました。岡先生は、今回のセミナーを通じて受講生が「教員としての教育観を身につけるきっかけにする」ことと「学校現場の実践から自分の価値観を振り返る」ことをめざして話をしてくださいました。その中で、なぜ教師をめざすのか、教師の仕事とは何か、を受講生に問いかけました。その上で、人権教育に取り組む視点を示しながら、教職についてからのエピソード「子どもがいるから自分が育つ」の事例を紹介して頂きました。人権教育は、子ども理解の根源であることを強調されていました。

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 受講生の感想を紹介します。

  • 大学でも人権教育について取り上げられ学習することがあったが、学べば学ぶほど人権教育って一体何なのだろうかと分からなくなってしまっていた。しかし、今日のセミナーで私たちの生活の中で身近に存在するものばかりで、知らず知らずの間に学んできたのだということが分かり、とてもすっきりした。人権教育はかた苦しく学ぶのではなく、自然と身につけていくことができる良さを感じた。今後の現場実習でも、先生としての自分の行動や言葉遣いに気をつけていきたい。子どもたちは全部見ている。自分のふるまいを今一度、見直していきたい。
  • 「人権教育」というと、何だかふんわりとしていて、どう学校で扱おうかということについて、しっかりとした考えを持っていないことに気がつきました。岡先生のお話で感じたことや、2年生のクラスの様子を思い浮かべると、「自分を大切にしながら他の人のことも認める」ように指導されておられるのではないかと考えました。子どもたちをよくみて、「なんでだろう」と常に問い続けることで、子どもを理解する糸口が見つかる可能性が広がるのだと感じたので、教師として多くを知る努力をしたいと思います。
  • 今日のテーマは、とても自分のこれからの為になり、本当に参加できて良かったと思いました。「人権教育」、一言で言えない、幅広く学んでいきたいものだと思いました。自分の価値観はどうだろうかと考えさせられました。これまで生きてきた中で知らないうちにできている価値観があると思います。一つでも多くのものに、どうだろうと気づきたいです。また、子どもは教師の言葉や行動をよく見ていて、判断します。子どもの心に寄り添い、理解できる教師になりたいです。
  • グループワークの時にも出ましたが、私たちのうけてきた人権教育はマイナスイメージが強く、自分はどんな授業をすれば良いのだろうかと難しく考えてしまいました。もちろん、授業で人権教育をとり上げることも大切ですが、教育実習に行かれた方は、そこで得られる子どもの意見はリアルな部分がないこともあるとおっしゃっていましたし、先生方もすべての教育活動が人権教育につながるとおっしゃっていたので、そのことに意識し、今までの実習での自分の言葉遣い、子どもへの姿勢をもう一度見直し、学び続けていきたいと思います。
  • 自分の中でどういったことを教えるのが人権教育に当たるのかが、あまりイメージできていなかったのですが、今日のセミナーを通じて少しだけわかった気がしました。人権教育は、特定の授業(道徳など)の時間だけで行なうのではなく、学校の教育活動全体を通じて行なっていかなければならないと感じました。自分の人権感覚を培っていくため、たくさんの方に出会い、価値観を広げていきたい。
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 学期末にも関わらず、講師を務めていただいた二人の先生に感謝します。

 セミナーに関心のある方は、教育政策課にお問い合わせください。

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