第8回ふくまる夢たまごセミナー

更新日:2021年02月01日

ページID : 4251

日時 11月17日(金曜日)18時~20時

 場所 池田市庁舎7階大会議室

 内容 先輩に学ぼうPART1

 講話「子ども理解と学級(集団)づくり」

       講師:山下 貴大 教諭(池田市立石橋南小学校)

          永峰 もも 教諭(池田市立渋谷中学校)

          前川 亮太 指導主事(教育政策課)

 最初の講話は永峰先生のお話でした。新卒4年目を迎える永峰先生は、1年生から3年生まで中学校の担任を一巡しました。再度1年生の担任となった今年、3年間を振り返りながら自身の学級づくりについてお話していただきました。

  自己紹介をされた後、「『木ヘン』の漢字を思いつくまま書き出してみてください」と塾生に問いかけ一人ひとりで考えてもらい、班で交流しました。協力すれば一人では見つけられなかった漢字にも気づくことができます。力を合わせることが大きな力につながることや学級の仲間の大切さにつながる作業でした。

 その後、永峰先生は生徒との3年間を振り返り、いつも怒っていた(こわい顔をしていた)のではないか、という反省のもと、今はできるだけ生徒と笑顔で接することを心がけているそうです。すると今までと違った生徒とのかかわりができるようになり、生徒からも笑顔で接してくれるようになってきたのだそうです。

 最後に、先生が一番大事にしている「生徒は教師の鑑」であること、「自分自身も一人ではない」ことについてお話していただき、講話を締めくくられました。

 続いて、石橋南小学校の山下先生の講話に移りました。山下先生からは、子どもの姿を氷山にたとえ、「水面上に見えている姿と、水面下に沈んでいる見えない姿とがある。見えているのは一部であり、学校生活で見えている子どもの姿そのものです。子どもを理解するうえで大事なのは、大部分が水面下にある子どもの思いや考えなど、見えない姿を認識することです。それは、見ようとしないと見えてこないものです。」と話された後、作文や家庭訪問から見えてきたA君について具体的に話していただきました。

 また、A君が安心感をもって過ごすため、「主体」「つながり」「行動」をキーワードにA君を中心にすえた学級づくりに奮闘されているようすを具体的にお話していただきました。それは、学級の子どもたちを「『やらされている』から『自分たちで考え、判断して行動する』へ」、「A君の課題をみんなの課題へ」、「自分たちで学級改善を」といった取り組みでした。さらに、そこから子ども主体の授業改善へと向かう山下先生の姿がありました。

 続いて、前川指導主事の「子どもに『先生なんか大嫌いや』と言われたらなんと答えますか」という投げかけから「子ども理解と学級づくり」の最後の講話が始まりました。

 前川指導主事からは、「正義の反対は何だと思いますか?」「何が見えますか?」「この人知っていますか?」「子供の限界を勝手に決めていませんか?」等々、画像などを使い視覚的に塾生に問いかけながら、子ども理解の本質に迫るお話をしていただきました。

 「叱るセンス」「褒めるセンス」「ユーモアのセンス」「子どもは『できる』存在」など、教師をめざす塾生にとって、大事な視点が網羅されたお話となりました。

 以上、三人に共通するのは、子どもの自主性を最優先に、まずは教師自身が変わっていこう、子どもの見えないところこそを見ることのできる教師であろうとする姿勢でした。また、子どもに寄り添い、悩み続けながら「学級づくり」に挑戦し続けている永峰先生と山下先生でしたが、子どもの実態を踏まえ、見通しを持った「学級づくり」をされているように思いました。

 

 残念ながら永峰先生は、仕事の都合で講話後、学校に帰られましたが、山下先生にはグループ協議にも加わっていただき、「子ども理解」「学級・集団づくり」について、塾生とともに熱心に討議していただきました。

<塾生の感想から>

 

  •  今日の講話は、とても自分自身の心に響きました。子ども理解をする上で大切なことは、“知る”ことだと思います。子どもの見えない姿は、教師が見ようとしないと見ることができないと思います。教師の側から知ろうと関わる姿勢が大切だと感じました。個人的に山下先生に質問させていただいたのは、学級目標はどのように決められたのかということです。山下先生は、全員で話し合って決めたとおっしゃっていて、“自分たちで考えて決める”ということを大切にされてきたのだと言うことがわかりました。

 

  •  永峰先生がグループワークを行う中で、子ども同士でもサポートを必要とする子どもを認識することができるとおっしゃっていました。私にとってはかなり新鮮なことで、先生が把握するだけではなくて、子ども間でも認識が必要と分かりました。また山下先生は、保護者の間でもつながる機会を作ったとおっしゃられていて、学校は、子どもと保護者、そして先生との間のつながりがあって始めて成り立つものだと、改めて感じました。また、子ども理解に対して、教師が「子どもはこういうものだ」と決め付けているレッテルをはがし、目の前の子どもの生活背景をも探りながら見ることが大切だと分かりました。さらに、教師が子どもを理解するためには、子どもが教師を理解できるよう取り組んでいくことも大切だと思います。

 

  •  まずは自分が変わること、それが大切なことだと思いました。「子どもにこうなってほしい」そのために自分に何ができるのかを考えていこうと思います。子どものことは、知ろうとしなければ、ほんの一部分しか見えない。ということは、現場実習の中で感じることがあります。

 

  •  今日は3人の先生から「子ども理解」と「学級づくり」について聞いた。それぞれの話から、「一人では分からなくても、他の人といっしょだとわかる」、「子どもの見えている姿と見えにくい姿」、「正義の反対は別の正義」ということがわかった。特に、正義の話は、自分的にとても心に響いた。これらの考え方は、これからの自分の日常の中でも使えるし、いろんな場面で大切になるものだと思うので、頭の隅にいつも置いておくようにしようと思う。

 

  •  久しぶりにセミナーに参加させていただいたが、やはりいつ参加しても勉強になるお話が聞ける。生徒からの信号は、自分が変わるためのものだということがとてもよく分かりました。嫌われたり、怒りたくなる行動や言葉があった時も、まずは、自分がよくなかったことをしていないか、改めて振り返ることが大切だと痛感しました。また、山下先生がおっしゃっていたように「自分が失敗を恐れず挑戦する」ことを自分もしていこうと思います。

 

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