第11回ふくまる夢たまごセミナー<閉塾式>

更新日:2021年02月01日

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 日時 平成30年2月9日(金曜日)18時~20時

 場所 市庁舎7階 大会議室

 内容 閉塾式及び記念講演                               

 講演「これからの先生に期待すること

―大阪の教育が大切にしてきたこと―」

講師:明石一朗氏(関西外国語大学教授 人権教育思想研究所長)

当初、第11回「ふくまる夢たまごセミナー」は2月16日に予定しておりましたが、講師の先生の都合により、1週間早まり、2月9日(金曜日)の開催となりました。閉塾式を兼ねておりますので、本年度を締めくくるセミナーとなりました。

 今年度は、43名の塾生(現場実習生32名、聴講生8名、特別聴講生3名)でスタートしましたが、途中入塾者が1名ありましたので、最終的には「ふくまる教志塾7期生」は44名ということになります。

 

今回の最終セミナーは、29名の塾生が出席し、閉塾式と記念講演でした。

閉塾式では、「ふくまる塾長」の立会いのもと、齋藤教育部長より塾生のみなさんに1年間のねぎらいと励ましの言葉を、次のようにかけていただきました。

<教育部長のお話の要旨>

「ふくまる教志塾」では、池田市内の小・中学校での「児童・生徒支援の体験(現場実習)」と月に一度の「教員養成講座(セミナー)」の2本柱で実施してまいりました。

みなさんは、7期生として、本日閉塾式を迎えられたわけですが、1年間、しっかりと勉強してきたことと思います。

大阪府教育委員会から人事権の移譲を受けて6年目になります。教員の養成と採用の一体化に向け、この教志塾の存在は大きく、期待もされているところです。是非、みなさんには豊能地区、とりわけ池田市を希望してほしいと思っています。

これからの新しい「池田の教育」を築いてくれるのはみなさんですので、もっともっと池田のことを知ってほしいと思っています。

これまでふくまる教志塾で学んでくれたみなさん方の先輩が、現在、池田市の小・中学校で教員として活躍してくれています。今年の7期生のみなさんの中にも、豊能地区の教員採用試験に合格し、池田市に採用が決まっている人もいます。

本日は、明石一朗先生に記念講演をしていただきます。たいへん貴重なお話が聞けると思います。

では、みなさん、来年度も仕事に勉強にがんばってください。みなさんのがんばりを心から期待しています。

その後、出席した塾生のみなさん一人ひとりから、ふくまる教志塾での1年間を振り返り、一言ずつ感想を発表してもらいました。教志塾での学び合い、励まし合い、語り合いなどを通し、「教師になりたい」という同じ思いを持つ塾生同士のつながり(共通する悩みや喜びを共有しあえたこと)の素晴らしさを多くの塾生から聞くことができました。

 ここで、一旦、閉塾式を終了し、引き続き、記念講演へと移りました。

記念講演では、関西外国語大学教授の明石一朗先生に「これからの先生に期待すること―大阪の教育が大切にしてきたこと―」というテーマでお話をしていただきました。

講演の内容は以下のとおりです。

(配布されたレジュメより)

「大阪の教育が大切にしてきたこと」

~子どもの生活・学力・人権を学校づくりの柱に~

 

【はじめに】

・「教育は人なり!」  (あなたは子どもが好きですか?)

・教育という営み    (医師と教師の3つの共通点)

・学校長の「仕事」とは?

 

【子どもの最善を願って】

・「損得、勝ち負け、好き嫌い」の価値観

・子どもは活発が天性(アサガオの水やり)

・好感、共感、親近感から・・・。

 

【学校力とは】

・目標の共有、役割分担、仲間意識

・礼を正し、場を清め、時を守る(森 信三 氏)

・子どもの成長は「連続」している。教育指導も・・・

 

【教育力とは】

・教職経験の少ない教職員が多くなる中で(不易と流行、継続と変革)

・授業力、子ども理解力、保護者対応力(不登校のやっちゃんの話)

・3つの「ワーク」と3つの「ジョン」⇒何でも3つから・・・。

 

【大阪の教育が大事にしてきたこと】

・「今日も机にあの子がいない」(低学力の克服、問題行動の解決、生活規律の確立)

・子どもに学ぶ(マー君、チーちゃん、新ちゃんのこと)

・保護者や地域に支えられる学校づくり(2012年5月21日午前7時28分)

 

【子どもの生活リズムは、家庭・地域の連携から】

・会話、会食、お手伝い

・ぐっすり、しっかり、すっきり

・「あんた、何年生になったんや。大きなったなぁ」

 

【ほんとうの学力とは】

・自転車に乗る子どものプロセス

・学ぶ意欲の向上(なぜレストランに客が来るのか?)

・読み書き計算(基礎力)+α(人間力)

 

【生きる力とは】

・「どこでも、何でも、誰とでも」

・イノシシ(野生動物)と豚(家畜)の違い

・人生の目標を高く(なぜ飛行機は飛ぶのか)

 

【人権とは幸せの追求】

・1年生の教室で

・人生3つの敵

・マザーテレサの話

 

【子どもが嫌いなこと】

・頭ごなし

・他者との比較

・家のもめ事

 

【人権教育の3つの視点】

・現実認識(人権侵害の実態)

・歴史認識(なぜ差別があるのか)

・解放への展望(どうすれば差別はなくなるのか)

 ⇒豊かな出会い、痛みの共有、正しく学ぶ

 

【最後に】

・ユーモアは人間関係の潤滑油

以上のレジュメに沿って、ユーモアを交えながら具体的にお話していただきました。こうした先生の話術にも塾生たちは感心しながら、食い入るように聞き入っていました。

1年間のふくまる教志塾の締めくくりにふさわしいお話に、塾生一同、改めて教師という仕事の素晴らしさと責任の重さを実感したようでした。

<塾生の感想から>

〇 教壇に立つにあたって、気をつけなければならない事が明確になった講義だったと感じました。自分のふとした思い込みで発言した人(子ども)を傷つけてしまう可能性があること、誤解を与えてしまうことがあるということを肝に銘じながら発言しないといけないと学びました。また、職員室もクラスと似ていると、改めて思いました。毎日、教室に行くのが楽しみ! 職員室に行くのに、安心、やる気、勇気が湧いてくる!! と思えるよう、自分から先輩方へコミュニケーションがはかれるように頑張りたいですが、正直、とても不安です。アドバイスをしてあげようと思われるよう、謙虚な姿勢を忘れずに学校へ向かいたいです。

〇 教師として、どういう心構えでいるべきか、何が大切なのかを、改めて学ぶことができました。今日の明石先生の講演は、今まで学んできたことの総まとめのように感じました。今日の学びを忘れず、4月から頑張っていこうと思います。教師という仕事は、命を預かるという責任、子どもや親の信頼を築くこと、そして、子どもを信じること。どれも簡単にできることではなくて、これからたくさん悩み、先輩の先生方にたくさん相談し、乗り越えていくものなんだろうなあと、これから始まる教師生活を想像しました。現場実習で出会った子どもたちとは、たくさんの思い出があります。前川先生が最後に話されていた教師という仕事のたいへんさ以上のやりがいも私は感じています。4月から全力で教師を楽しみます。

〇 今回、明石先生のお話を聞かせていただいて、まず思ったのが、興味をそそられる話し方だったことです。ユーモアをたくさん取り入れながらも、ここと言うポイントでは真剣な面持ちで話されていて、その強弱が聞きたくなる話し方なんだなと思いました。内容では、「つながり」という言葉が印象に残りました。学びはつながりの中にある、人とつながることで差別をなくしていける、保護者とつながることで家庭とのつながりができ子どもにもよい影響を与えるなど、つながることによってよい方向へ向かっていくのだなと、改めて思いました。1年間ありがとうございました。

〇 明石先生のお話を聞かせていただいて、改めて、教師にとって大切なことを教えてもらいました。「明るく、元気、笑顔、優しい、厳しい、公平、知的」全ての言葉は当たり前なことだと分かっていても表現できていないことが、自分を客観的に見るとあります。現場実習に行かせてもらい、たくさんの子どもと関わることで、子どもはよく見ているなと、日々感じていました。教師と児童という関係は築きながらも、一人の人間として人間力を高められる教師になりたいです。今回、初めてふくまる教志塾に入らせてもらい、毎回、緊張しましたが、一緒の目標を持つ人たちと集まり、教育について勉強できたことが、これからの自分の励みになるよい経験になりました。一年間ありがとうございました。

〇 一年間を通して、つながりの大切さをとても感じました。私は、通信教育で勉強しているため、採用試験の情報や教育に関する新しいニュースがすぐには入ってきません。ですが、ふくまる教志塾にきて、同じ大学の通学生に出会い、学校の採用試験セミナーであったり、教育の新しい情報を共有したりでき、とても助かりました。ふくまる教志塾は2年目でしたが、教育に対する知見や意識が広がり、より確かな意志に変わりました。2年間ありがとうございました。

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