懐徳堂
懐徳堂(かいとくどう)
江戸時代、大坂にあった町人出資の学校で享保9年(1724)設立。2年後に幕府官許。三宅石庵・中井甃庵(しゅうあん)、のち中井竹山・中井履軒らが教授。富永仲基・山片蟠桃らも学ぶ。
講義は書物を持たなくても聞ける、中途退座を許す、謝礼も貧乏ならば紙一折・筆一対でもよい、など町人の生活にあった規定を設けていた。
町人出資の学校が成立した背景には、封建制度の動揺、商品経済の発展に伴う危機感があった。忠孝・勤勉を育てるために、講義の内容は孝弟の徳目や誠が強調された。
ただ、公許を得た中井竹山たちの経営姿勢を検討すると、一段高い地位から町人を教化するといった権威主義的傾向が読みとれ、一概に町人のための学問所と評価することを疑問視する向きもある(脇田修『近世大阪の経済と文化』人文書院)。
懐徳堂に関する池田歴史民俗資料館収蔵品
憚悟爐文庫目録
(短冊)漢詩
01 並河寒泉(懐徳堂の教授):漢詩 (題 花深橋転)
苔欄蘿柱蹴春通 満袖裏余芳樹風一転趣香又一転紫霓■去践丹虹
蝸牛廬文庫目録(2)
0189 懐徳堂考:西村時彦(天囚)、朝日新聞切抜、明治44、1冊
0190 懐徳堂考:西村時彦(天囚)、社内版、明治43・明治44、2冊
0192 懐徳堂五種:西村時彦(天囚)編、明治44、1冊
0194 懐徳堂展覧会目録:懐徳堂記念会編、明治44、1冊
0759 懐徳堂遺書 勢語通:五井蘭洲著、西村時彦編、明治44、2冊
1579 論語義疎:懐徳堂記念会編、大正13、6冊
0191 懐徳堂考:西村時彦(天囚)、懐徳堂記念会編、大正14、1冊
0777 碩園先生追悼録:懐徳堂堂友会編、大正14、1冊
0195 懐徳堂要覧:懐徳堂記念会編、大正15、1冊
1073 永田理事長・松山教授追悼録:懐徳堂々友会編、昭和2、1冊
0776 碩園先生遺集:西村時彦(天囚)著、懐徳堂記念会編、昭和11、5冊
0193 懐徳堂水哉館遺書遺物目録:野口幸雄編、昭和14、1冊
0196 懐徳堂要覧:懐徳堂記念会編、昭和43、1冊
蝸牛廬文庫目録(3)
(雑誌・書籍の部)絵葉書
53 懐徳堂絵葉書 第1輯:袋付6枚
懐徳堂正門・三宅石庵先生書扁額・中井履軒先生画像並壙誌銘・中井竹山先生画像並自賛・旧懐徳堂所用木司令・懐徳堂祠堂並講壇
54 懐徳堂絵葉書 第2輯:袋付6枚
並川寒泉先生が明治二年十二月閉学当日校門を出づる時門扉に貼付したる歌・中井竹山先生手稿草茅危言巻首・三宅石庵論語首章講義巻首・五井蘭洲先生手稿勢語通・中井履軒先生手稿古詩逢原巻首・中井竹山先生手写懐徳堂壁書
(雑誌・書籍の部)新聞記事切抜
14 生きていた懐徳堂:藤枝晃、朝日、昭和38・5・23
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更新日:2021年02月01日