井上士朗の俳句短冊

更新日:2021年02月01日

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井上士朗(いのうえ-しろう)?

 江戸期の俳人。寛保2(1742)~文化9(1812)。尾張春日井郡守山(現名古屋市守山)生。本名井上正春。医名専庵。別号、支朗・朱樹叟・枇杷園・松翁。少年時名古屋の医者井上家の養子となり家業を継いだ。10代後半ごろ加藤暁台に師事。作品の初見は22歳の暁台編『蛙啼集』(宝暦13刊)。明和4年(1767)ごろより一門の間に重きをなし、天明の半ばには全国にその存在を知られるようになった。性格が温和で名利を追わず、藩医に推されたこともあったが辞退した。俳諧のほか、平曲、絵画、国学にも通じ尾張のみならず化政期を代表する俳人となった。著作の多くは『枇杷園七部集』(文政8年刊)にまとめられている。俳風は『枇杷園句集』(文化1刊)『枇杷園句集後編』(文化5刊)などによってうかがえる。士朗の業績は、高雅にすぎた暁台の句風を、大衆むきに平明化した点にあるが、反面次代の月並調の萌芽もみえる。
(『近世文学研究事典』岡本勝・雲英末雄編、桜楓社ページ311)

士朗に関する池田市立歴史民俗資料館収蔵品

(写真)井上士朗の短冊

短冊の読み

「真丸に神馬の肥る四月かな 士朗」 

(C)池田市教育委員会(池田市立歴史民俗資料館)

士朗に関する池田市立歴史民俗資料館収蔵品

憚悟爐文庫目録

(短冊)B俳句

15 士朗  真丸に神馬の肥る四月かな
(絵入「立雛の図」)

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