5.終わりに

更新日:2021年02月01日

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市民一人ひとりが「くらしがい」を見つけることによって、年齢に関わらず、安全に心地よく生きて行ける世界が生まれる。そこには、企業セクターが行う社会貢献活動、NPOセクターが行う日常生活から見た社会問題の解決、そして行政セクターが行う画一的で平等な施策が相まった豊かな市民生活がある。

このようなセクター内外の多様性を守り育てることで、次世紀、社会が環境変化に耐え得る体質を獲得することにつながっていく。しかし、一方で、公益活動の成果をどのようにして測るのか、また、団体は、それぞれが取り組む社会的な課題から、いつ、どの段階で手を引くのかといった問題も抱えている。使命を明確にすることで組織が固まり、一人ひとりが専門化していくのだが、また、その使命も常に変わっていく。

このような市民公益活動の多くは日常生活の延長線上でなされており、そこでは、それぞれの活動員が家庭的な人間関係で結ばれ、経済活動などとは違った、また、別の時間が流れている。その中で繰り広げられる活動は、する側、受ける側双方に得るものがある心の活動であり、「意欲」が総ての活動の源泉となる。言い換えれば、共に「活きる」、共に「輝く」活動ということができる。大きな意味で、これらの活動に対する支援は、「やる気」を育む環境整備ととらまえることもできるだろう。今後、NPOセクターが成熟していくためには、多くの人の力と歳月を必要とするが、「自発的」、「自己責任」というものが草の根団体の根本的なところにあり、まず、これらのボランティアマインドが確保されなければNPOセクターは本当の意味で発展はしない。

このことから、市としても直接的でなく、間接的に、側面的に、小さな行政の目で支援し、情報収集力の弱い住民やNPOセクターのために、声の大きい一部の意見だけではなく、サイレントマジョリティーといわれる声を上げない大多数の市民、団体が議論できるような、声なき声が目覚めてくるような積極的な情報を公開することが求められる。そのような中で各団体はその社会的課題にどのように関わっていくのか、自らの良い部分だけでなく自らが持つ危険性も含む悪い部分をも公開し、議論していくことが、ひいては、住民に「新たな市民」としての意識の醸成を促し、市民の手による「まちづくり」につながっていくのではないかと思われる。我々、委員一同、この20世紀最後の提言が21世紀に華開くことを心から願うものである。

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